【政治に関する雑学】 |
●世界最古の憲法を作った国
起源を調べるのはなかなか難しいのですが、文章に書き記した成文憲法の起源ならば、アメリカ合衆国が最初の国になります。
当時のアメリカは、個々の州がそれぞれ国家のように機能していて、国家としてのまとまりに欠けていました。そこで1788年6月21日、合衆国憲法を起草し、大統領としてジョージ・ワシントンが就任。合衆国政府が誕生したわけです。それまでに、成文憲法はどこの国家にも存在せず、アメリカ合衆国が成文憲法を持った世界初の国家となったのです。
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●国民栄誉賞
国民栄誉賞の最近の受賞者は、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子です。しかし、そもそも国民栄誉賞とはいつ創設されたのでしょうか?
国民栄誉賞とは、1977年に福田内閣により「広く日本国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった国民に対して、その栄誉を讃えることを目的」に創設されました。過去の受賞者は全部で15名、王貞治、古賀政男(福田内閣)、長谷川一夫、植村直己、山下泰裕、衣笠祥雄(中曽根内閣)、美空ひばり(宇野内閣)、千代の冨士(海部内閣)、藤山一郎、長谷川町子、服部良一(宮沢内閣)、渥美清、吉田正(橋本内閣)、黒澤明(小渕内閣)、高橋尚子(森内閣)が受賞しています。
しかし、その受賞基準が明確ではないため、時として批判される賞でもあります。確かに、高橋選手と野口選手は同じ金メダルを獲得しましたが、その違いについてはよく理解できません。その時々の内閣が人気を得るために利用しているという批判もあります。
最近では、イチロー選手に、2001年と2004年に二度、国民栄誉賞を打診しましたが、イチロー選手側から辞退の返答があったためとりやめになったエピソードがあります。
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●個人情報保護法
4月から施行される個人情報保護法という新しい法律をご存知でしょうか?個人情報を扱う会社では研修など準備が進んでいると思います。法律における個人情報とは「その情報を第三者に漏洩する事で、その個人に迷惑を及ぼす可能性のある名前、生年月日など、個人を特定できる情報」の事です。この法律は、企業が守らなければならない義務(個人情報の守秘義務)を定め、それに違反した場合には行政機関が処分を行なうという性格を持っています。各事業者は、この法律を違反すると行政処分を下され、さらに主務大臣の命令に反した場合には罰則が科せられることになります。そのため、各事業者は、更なる情報の守秘と対応をしていく必要があります。
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●政令指定都市
政令指定都市とは、地方自治法で規定され、人口50万以上の都市が選ばれます。しかし、実際は80-100万くらいの人口の都市が大阪市や京都市など12の都市が指定されています。
政令指定都市のメリットとは何でしょうか?実は、政令指定都市になると通常の市町村とは異なる、行政制度と財政制度を持つ事ができます。また知事の関与を受ける事なく決定する事ができるようになります。そのため、政令指定都市の市長は、通常の市町村の長よりも大きい権力を持つ事ができるのです。
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●憲法記念日
昭和22年(1947)5月3日、日本国憲法が発布され、それを記念して昭和23年7月の「国民の祝日に関する法律」で、5月3日が祝日と定められました。
その後50年以上、この憲法は全く改正を加えられることなく継続し、天皇象徴制・三権分立・民主主義・人権尊重・平和主義などを起草された時そのままうたっています。50年も変らないという事に驚きますが、さらに上をいく国があります。それはイギリスです。
イギリスの憲法マグナカルタは、1215年に起草されましたが、その後改定されていません。その時代時代で、憲法解釈を変更する事で800年間改憲せずに現在にいたっています。
現在、日本でも第九条を筆頭に憲法改憲論が高まっていますが、憲法第96条において、憲法改正を定義しているため、憲法を改定する事は可能になっています。
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●衆議院のルーツ
現在の衆議院は、日本国憲法下で制定されたものですが、元々の衆議院は、大日本帝国憲法下で制定されました。
大日本帝国憲法下は二院制で、貴族院(世襲、互選、天皇が直接任命)と衆議院(民選)で構成されていました。
第一回衆議院選挙は、1890年、定数は300名、当時は小選挙区制が採用されました。選挙権は「直接国税15円以上を納める25歳以上の男子」しか認められず、また被選挙権は「直接国税15円以上を納める30歳以上の男子」に限定されていました。当時は、「男尊女卑」だったため、女性の参政権は認められませんでした。
衆議院は、貴族院と対等ですが、唯一違うのは予算先議権をもっていました。また、天皇は、衆議院の解散を命じることができたため、当時の帝国議会自体が、天皇の立法権の協賛機関として機能していました。
当初、立法権行使において、貴族院は衆議院の議決を制限する事があり、国民の意思を政治に反映させる事が難しい時代もありました。しかし、大正デモクラシーを通して、少しずつ、政治の舞台が衆議院に移り、現在の政党政治の礎が確立されていったのです。
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●派閥
政治の派閥とは、派閥の領袖(会長)を総理・総裁へと押し上げるために出来た組織です。ルーツは古く、1890年の帝国議会開会当初、第一党の自由党内に生まれた板垣退助らが率いる「土佐派」など四派がその起源と言われています。その後、吉田茂元首相率いる自由党と鳩山一郎元首相の民主党が合流して自由民主党が誕生しました。その翌年の自民党総裁選をめぐり、11のグループから八つの派閥に再編されました。これは、当時「八個師団」と呼ばれていました。現在の自民党の派閥は、この八個師団から派生した派閥です。
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●内閣官房長官
官房長官とは、首相の相談役兼補佐役です。さらに与野党や官庁などの情報を束ねる役職である。その他にも、1日2回の定例記者会見を行うため、総理大臣についで最もメディアに露出する役職とも言えます。また内閣閣議における司会も担当します。首相に不測の事態があった時には、首相に代わり内閣を運営するのも官房長官の仕事です。そのため、内閣の中でも重要なポストと言えます。
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●国会と速記
国会中継を見ていると、速記者が議事録を記録しています。録音技術が発達した今、いまだに速記をしている姿に時代遅れな感じがします。実は、衆議院規則、参議院規則共に「議事は、速記法によってこれを速記する」という規則があり、そのため速記をしているのです。速記者は、衆参それぞれ100人以上おり、本会議だと5分交代で速記をしています。機械化も検討中との事ですが、時期や方式について具体的な案はまだ出ていません。 |